教育理念・目的

学環について

About

学環の理念

愛媛県を含む四国地域は、日本の中でも人口減少や少子高齢化が先行している地域であり、デジタルやモビリティの格差、付加価値を高められないことによる県民所得の停滞、企業誘致や他業種との連携の遅れ、公共インフラ維持の難しさ、医療・福祉資源の地域偏在、さらには南海トラフ地震などの大規模災害リスクなど、多くの構造的課題が重層的に絡み合う、いわば「課題の集積地」と言えます。こうした課題は、単一の専門分野だけでは十分に対応することが難しく、多様な知見を組み合わせた対応が求められています。

こうした背景の下、地方ではあらゆる産業分野で担い手不足が深刻化しており、企業や自治体は個別の取組の中で実務的なノウハウの蓄積にとどまる傾向がみられるなか、複数の主体を横断的にまとめ、地域に根差した事業全体を推進できる人材への期待が高まっています。一方、データや分析結果を示すだけでは、複雑な地域課題に対して関係者の主体的な協力を引き出すことに難しさを感じているケースも見られます。

以上の状況を踏まえると、今求められているのは、実践と学術のいずれか一方だけに偏るのではなく、両者を往還しながら解決策を構想し、それを社会に実装できる人材です。さらに、その成果やプロセスを他の地域にも展開できる形で発信できる力も必要とされています。

本学環では、このような力を備え、地域の未来を切り拓く「変革リーダー」の育成を目指します。

地域のさまざまな人や風景を組み合わせたイメージ

養成する人材像

産業界等の現場と学術をつなぎ、プロジェクトの“プロセス知”で社会を動かす変革リーダー

本学環では、産業界等の現場における知見(実践知)だけでは解決できない複雑な問題に対して、各専門分野の理論や方法(学術知)を用いて分析を行い、解決策を構想し、体系化されたプロジェクトマネジメント手法を基盤としてプロジェクトを実装する。その過程で、何が変革を生み、どのような条件が変革を支えたのかを明らかにするとともに、得られた知見を“プロセス知”として理論化し、これを社会に発信して次の変革へとつなげることのできる博士人材を育成します。

学環長候補者挨拶

田中太郎

愛媛大学大学院
アドバンストソーシャルマネジメント学環長候補者

松村 暢彦

愛媛大学大学院アドバンストソーシャルマネジメント学環のホームページをご覧いただき、誠にありがとうございます。

社会の複雑化と変化の加速に伴い、地域や組織が直面する課題は、従来の枠組みだけでは解決が難しくなっています。企業、自治体、医療・福祉機関、NPOなどの現場では、解決に向けた実践や挑戦が数多く重ねられています。しかし、そこで得られた経験や知見は個別の事例として蓄積されることが多く、他の地域や組織でも活用できる形に整えられる機会は、必ずしも十分ではありません。

本学環は、この状況に対し、実践から得られた知見を学術的に理論化し、社会へ発信していくことを目指す博士課程です。学生自身が現に関わっている課題をプロジェクトとして持ち込み、現場での実践と大学における研究を往還しながら、何が変革を生み出し、どのような条件がそれを支えたのかを明らかにします。こうして得られる、他の場面でも再現可能な知を、本学環では「プロセス知」と呼んでいます。

本学環の特徴は、分野の異なる複数の指導教員と、プロジェクトマネジメントの国際資格を有するPMコーディネーターが支援チームを組み、一人ひとりの学生に伴走する点にあります。理工学・農学・医学系の3研究科が蓄積してきた学術知に加え、国際的な実務の共通基盤であるプロジェクトマネジメントの手法を用いることで、複雑な課題に多様な関係者を巻き込みながら実践と研究を進める力を養います。未知の課題に挑み、立場の異なる人々と協働して変革を実現する力は、これからの社会でますます重要になるでしょう。

本学環には、それぞれの現場で実務を担ってこられた方々をはじめ、強い問題意識と志を持つ多様な人材が集うことを期待しています。培ってこられた経験を学術的な探究へと発展させ、その成果を社会へ還元し、次の変革へとつなげていただきたいと考えています。

皆様とともに新たな知の創造と社会変革に挑戦できる日を、心より楽しみにしています。

Advanced Social Management